自分は仕事ができない奴、のジレンマから抜け出す

こんにちは!

週末キャリアカウンセラーのあいこです!

 

先日、他部署で活躍する先輩方と、入社3年目の後輩とで話す機会がありました。

皆、違った経歴を持ち、それぞれの分野で大活躍している方々だったのですが、口を揃えて

「新人の頃は本当に仕事ができなくて、仕事ができない社員の典型だった・・・」

と言うのです。

新人の頃、思い返すと至らない点だらけだったのはわかりますが、そうはいっても皆さんの口調や態度を見ていると、新人の頃から優秀だったのでは、と思わずにはいられませんでした。

もちろん、経験不足でミスをしたりすることも新入社員時代は多いと思いますが、実際の自分の仕事ぶりと、本人の捉え方に大きなギャップがあり、「自分はできない奴」の考えが「できた自分」を追いやってしまっているのかな・・と思いました。

 

そこで、今日は「自分はできない奴」と思い続けてしまう心理について考えてみたいと思います。

自分は「仕事ができない奴」って思うのはなぜ?

多くの場合、仕事において自分ができることとできないことを並べた時に、できないことの方に注目してしまいます。

そして、「できないことが沢山ある自分は、他の人より劣っている」「あの人はそつなく仕事をこなせるのに、自分は仕事ができず溜め込んでしまう。自分はできない奴だ。」などと考えるようになります。

でも、これは個人の問題ではなくて、人間という生き物の性質に関係してきます。

「人間は他人と比較してしまう生き物」

アメリカの心理学者、レオン・ファスティンガーは「社会的比較理論」を提唱しています。

社会的比較理論では、次のようなことが述べられています

  • 人が他人と自分を比較してしまうことは、本能的な反応である
  • 周囲の人々と自分を比較することで、自分の社会における位置を確かめる習性がある

つまり、人と比較する習性自体は誰にでもある、ということです。

誰もが持っている習性でありながら、特に若手社員で「自分はできない奴」と思ってしまう人が多いのは、経験年数の少なさから「できたこと」の体験が先輩に比べて相対的に少ないことが原因になっていることが考えられます。

職場の同僚と比べるのは合理的なのか?

「他人と比較してしまう」のは誰にでもある習性だということはわかりました。

では、どうしても比較を無意識のうちにしてしまう、というときに、職場の同僚を比較対象にあげるのは合理的なのでしょうか?

・・・答えは圧倒的にNOです!

社会的比較理論の提唱者のファスティンガーは、「人は妥当な評価をしやすいよう、自分と似た他人を比較対象に選ぶ」という仮説をたてています。(参照「臨床心理学用語辞典」)

この仮説をもとにすると、職場の同僚を比較対象にするのは、「職場が同じ=自分と似てる」という解釈からくるものと思われます。

でも、職場が同じといっても、職場で働く人々は、皆違う環境で育ち・違う歴史を歩んできたわけです。

物事の考え方やアプローチの仕方だって、その人が歩んできたそれまでの人生の影響を受けて型作られていくのですから、「職場が同じ」というだけで似ていると判断して比較するのは、合理的ではないと言えますね。

経験の差は、見落としがちなワナ

職場の同僚との比較をする際に、普段志の高い人ほど、同期ではなく先輩に目を向けて「自分は先輩に比べて全然できていない・・」と落ち込んだりします。

高い目標を持つからこそ、先輩と比較しているのだと思うので、それはとっても素晴らしいことなのですが、勤務年数の差は忘れちゃいけません!(^^;)

 

先輩は、あなたより長い年数をかけて、人との比較や自分との闘いを続け、その結果、いまの姿になっているのです。

「早く先輩に追いつきたい!」と思うのは素敵なことですが、

「先輩と比べて自分は全然仕事ができない」と思うのは、

「自分と先輩の間には、勤務経験(期間)に差がある」ことを無視した比較の仕方だと言えるんじゃないでしょうか。

 

そんな非合理的な比較で、「できない奴」レッテルを自分に貼ってしまっては、自分がかわいそうです。

志を高く持つことは素敵ですが、事実として土台にどんな違いがあるのか、を頭に入れておくことは、自分のメンタルを守る上でもとても大切なことです^^

「できない奴」の考え方を乗り越える方法

比較してしまう習性は、本能的なものなのでなくすことは難しいです。

じゃあ、どうしたら自分を「できない奴」と捉えてしまう考え方を乗り越えられるかを見ていきましょう。

方法は2つです!

  • 過去の自分と比較する
  • 「できる人」を観察して、自分に取り入れる

過去の自分と比較する

人と比べるのをやめて、過去の自分と比較することをおすすめします。

他人と比べると、できないところに目が向きがちです。

その比較の目を、過去の自分に向けてみて下さい^^

例えば、こんな観点から比較ができます

  • 3か月前の自分と比べてできるようになったことは何か
  • 1年前の自分とどう違うか
  • 入社当初の自分と比べると何ができるようになったか

 

過去の自分は、まぎれもなく今の自分の土台になっています。

過去の自分と今の自分の間には、その時々で感じた色んな思いや、選んだ行動が果てしなく積み重なっています。そしてその積み重なりの一つ一つが、小さな変化や大きな変化をもたらして今の自分になっています。

過去の自分と今の自分の間にある、積み重ねてきた努力や変化に目を向けて、過去の自分と比較するように意識すると、他人と比較するときよりぐっと気持ちが楽になります。また、少し自分をほめてあげたくなったりもするかもしれません^^

 

他人との比較をやめて、自分との比較をぜひやってみて下さいね。

「できる人」を観察して、自分に取り入れる

他人と比べて、「自分はここも劣ってるし、ここもあの人よりだめだ。本当に自分はできない奴だな・・・。」と思うと、辛いですよね。私も入社3年目くらいまで、しょっちゅうその思いに頭が支配されて、とてもしんどい日々を過ごしました。

でも、この考え方ではつらさが増すばかりで、得られるものはありません。

一方、「できる人」を観察し、発見した違いを自分に取り入れると、「できる人」に近づくための変化を自分で作ることができます。

しんどい気持ちを大きくする「比較」はやめて、前に進める変化を自分で作れる「観察」を取り入れてみましょう^^

 

観察するときは、こんなポイントに注目してみると良いと思います

  • 「できる人」は、どんな構成のメールを打っているか
  • 「できる人」は、プレゼンの時/会議の時/電話の時/上司への報告の時、どんな話し方をしているか
  • 「できる人」は、1日の時間をどんな風に使っているか
  • 「できる人」は、日々のニュースをどんな視点から見ているか

などなど、他にも色んな観察ポイントがあると思います。

 

先に見た通り、「できる人」が先輩だとすると、経験年数の差があるという事実は変えられません。そして、実際その差は大きく、すぐには追いつけないことが多いです。

でも、「できる人」の行動を観察して自分に取り入れていくことは、経験年数の差があってもできることが多いです。

沢山観察をして、自分に取り入れることで自分の変化や成長を後押ししていってくださいね^^

おわりに

自分は「できない奴だ」と悩んでいる社会人の方で、この記事を今読んでくれている方がもしいれば、是非今回紹介したことを頭の片隅に置いて、憧れの「できる人」をとことん観察して自分に取り入れる行動を実践してみて下さい^^

それでも自分に対して「できない奴」の思いが重くのしかかってきて、しんどい気持ちが大きいようであれば、話を聴くプロに相談してみることもぜひ視野に入れてみて下さいね。

友達でもない、家族でもない、専門家に話し・聴いてもらう体験が、気持ちを緩めるきっかけになるかもしれません。

ご相談がもしあれば、お気軽に問合せフォームからご連絡下さい^^

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ではまた~!