キャリコンにおすすめの本(息抜き編)ー花田菜々子著、河出文庫

こんにちは!あいこです。

これまでTwitterでは、私がキャリコンを目指すようになってから参考にした本をいくつか紹介させて頂いてきました。

https://twitter.com/aikoaiko416/status/1350324533312565249

 

私の思うカウンセリングの考え方に影響を与えてくれた本、ということで紹介していますが、これらはいわゆる”真面目本”です。

今日は”息抜き本”として、キャリコンとして参考になるけど、そんなに身構えずに軽く読める本をご紹介します!^^

花田菜々子さんの本

キャリコンにおすすめの”息抜き本”、タイトルは

『出会い系サイトで70人と実際に合ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』!!

なかなかにインパクトあるタイトルですよね。笑

あらすじ

主人公は、既婚の書店員、菜々子33歳。夫婦関係に悩み別居中、自分は今後どうしたら良いのか先が見えず、行き詰まりを感じています。

そんな時に、たまたま見つけた出会い系サイトに登録し、そこで出会う初対面の人に、その人に合いそうな本をおすすめする活動を始める・・・というストーリーです。

この小説、なんと作者の花田さんの実話。実録私小説です。

キャリコンにおすすめする理由

なぜこの本を、キャリコンにおすすめするかと言うと、実録私小説のため、作者のリアルな悩みと、その変化の様子がリアルに覗けるからです。

キャリコンやコーチ、カウンセラー等々、対人支援を行う立場にも色々と種類がありますが、共通する役割は、目の前の相談者に寄り添い、相談者の自己探索を支援することです。

ただ、実際、自分以外の人の心の移り変わりや浮き沈みって知ることは難しいですよね??

面談後、自分でカウンセリングの振り返りをしたり、SVを受けてクライアントさんとの関わり方を評価してもらったり、ロープレ後にCLさんからFBをもらったり、、と、対人支援に従事する者として、相談にこられたクライアントさんに有益な関わり方ができたかな?、と振り返る機会はあります。

ただ、これらには限界があります。

どれほどベテランのスーパーバイザーだとしても、相談者本人ではないので、他人の推測の域を出ることはできません。また、ロープレ後のFBは、CL役本人からのコメントにですが、「あんまり正直に言ったら傷つくかな」とオブラートに包んだ意見だったり、もしくは「もっとこんなところを聞いてほしかった!」とそのCL役の人にとっての理想のカウンセリングを要求する意見だったりして、結局相談者が悩みの最中にいるときのリアルな気持ちというのは、支援側にとっては想像するしかなく、正確なことは知れないですよね・・。

それが、この本の場合だと、私小説として作者本人が書かれたものなので、心の変化に実にリアルに触れることができるんです!

こんなことが学べます

架空の人物の頭の中なら、小説でも読めますが、私小説というのがおすすめしたい最大の理由です。

例えば、こんなポイントを学ぶことができます。

  • 他人と話している最中の頭の中を知れる
  • 深い悩みがある人が一人でいる時、頭の中がどれほどぐるぐるしているかを知れる
  • 他人との関わりが、会う前、会っている最中、別れた後、どんな影響を与えるのかを知れる

こういったポイントを学ぶと、カウンセリングにおいても、悩みのある相談者さんが支援者のもとに来るまでに、どんな心境だったのか、面談で話している最中はどんな風に整理されていくのか、面談が終わったあと一人の時にカウンセリングのことをどんな風に思い出して内省するか、、といったことが、少し想像できるようになります。

 

もちろん、私小説とはいえ、やっぱり本人の頭の中は本人にしかわからないので、この本を読んだだけでわかった気になるのはNGです。また、あくまでこの本は花田さんが花田さんの経験を書かれたものなので、「悩んでいる人はこうなんだろう!」と自分の目の前にくる相談者さんに単純にあてはめるのもNGです。

人の心に関することなので、カウンセリングに答えはないと思いますが、キャリコンやコーチ、カウンセラーが相談者を支援する上では、他人の心の動きを知る勉強を絶え間なくする必要があると思うので、「人の心の変化にはこんなケースもあるんだな」と少しそのエッセンスを知る一つのツールに本書はなると思います!^^

読んでみたい本がごろごろでてくる

この本、タイトルの通り、初対面の人に色んな本をすすめまくる様子が記されているのですが、「本がその人に合うと思った理由」が述べられた上で本の紹介がされています。

それぞれの人に本を紹介する際の「理由」を読んでいると、世の中には色んな考え方や価値観を持つ人がいて、それぞれの人によって、ときめくポイントが違うんだ、ということが感じ取れます。

自分以外の人が、どんなことに心動くのかを想像する力が少し強化される感じがするので、面白いですよ^^

本書で紹介された本で気になった本を読む、というのもこの本の楽しみ方の一つだと思います♪

書店員さんならではの、幅広い本を紹介されているので、普段自分ではなかなか見つけられないようなジャンルの本にであるきっかけをくれる作品です。

おわりに

余談ですが、作者の花田さんは、現在、東京の日比谷にあるHMV&BOOKS日比谷コテージの店長さんです。

私は、花田さんが店長さんということを知らず、たまたま日比谷に行ったついでにふらりと立ち寄り、そこで文庫本コーナーに並ぶ本書を見つけて「初対面の人に合う本をすすめるってことは、その人の人となりの洞察とかの描写がありそうだな。カウンセリングにもしかしたら活きるかもしれないから買ってみようかな。」と手に取り購入しました。

読み終わってから、この本の著者があの本屋さんの店長さんだったと知り、「良い場所で買えて良かったな~」とにんまりしました^^

 

皆さんも、もしこの本に興味があって、日比谷に寄る機会があれば、花田さんの書店で購入されてみてはいかがでしょうか♪

 

感想でも相談でもいつでも大歓迎です(^^)

お気軽にご連絡くださいね♪ではまた~